採用面接では一通りの質疑応答が済んだ後に、「何か質問はありませんか?」と聞かれるのが定番の流れです。
ノープランで面接にのぞみ「あ いえ…特にありません」なんてぼやっとした返事をして面接終了してしまった…こんな経験はありませんか?
緊張していて「あたま真っ白」な時もやりがちですよね。
実はこの「逆質問」をすることは、あなたの長所をアピールして好印象を植え付ける絶好のチャンスです。
質問をすることで介護職に対する意識の高さや、あなたのモチベーションの高さを面接官に見せることで「この人採用したいな」と思わせてしまいましょう。
本記事を読むことで、
- 面接の際になぜ「質問ありますか」と聞かれるのか
- どんな逆質問をすれば好印象になるか
- NGな逆質問はあるのか
などが分かり採用面接を有利に進めて、採用率アップが狙えます。あなたの面接に役立ててもらえれば嬉しいです。
面接の際なぜ「何か質問ありますか?」と聞かれるのか

採用面接の際なぜ「何か質問はありますか?」と聞かれるのか?それは採用するかどうか一つの判断材料だからです。
- 質問の有無で「この事業所で働きたい」理由や、介護職に対する意欲があるか確認したい
- コミュニケーション能力があるか(会話のキャッチボールができるか)
- 事業所の方針や雰囲気にあっているか
などの点を質問を通して確認・判断したいのです。
これはあなたの長所や仕事に対するモチベーションをアピールする機会でもあります。ここでは「試されてる」と尻込みせずに、採用率をアップさせるチャンスと思って効果的な「逆質問」をしましょう。
特に介護職ではコミュニケーション能力は重視されるポイントの一つ。利用者様のことを深く理解するためだったり、チームケアの実践のためにコミュニケーションは大切です。
どんな「逆質問」が効果的なの?

質問する際の注意点
質問をする際は以下のことを心掛けましょう。
- 疑問点を明確にする
- 質問は簡潔にまとめる
質問で解決したい内容を具体的に伝えます。質問の内容が具体的でないと、「何が聞きたいのか分かりづらい…」と相手を困らせてしまいます。あらかじめ質問を明確にして準備しておくことが大切です。
また一度に複数の質問をしてしまうと、まとまりのない印象になってしまいがちです。一度に詰め込まず、一つずつ質問することで相手も回答しやすくなります。
質問を明確かつ簡潔にまとめることで、コミュニケーション能力のアピールにもつながります。
効果的に好印象を与える質問例
こちらからの質問で好印象を与えるために
- 介護職への理解があり、適性を感じられる
- コミュニケーション能力がある、職場での人間関係に適性がある
- 介護職に関する知識や技術を学ぶ姿勢があるか
といったアピールにつながる質問や受け答えをすることが重要です。
質問の例を挙げて見ていきましょう。
介護職への適性をアピールできる質問例
- 「介護職は未経験ですが、注意点などありますでしょうか?営業の経験があるので人間関係を良好に保つことが得意です。」
- 「40代半ばでの応募ですが、初心に帰って学びたいと思っています。年齢面で若干不安ではありますが採用に響きますでしょうか?」
未経験であることや年齢など不安要素やマイナス面があっても、アピールポイントもしっかり盛り込めば心配いりません。
「人間関係を良好に保てること」や、「自分より若い先輩から教わる姿勢があること」は介護職で活かせる能力です。
コミュニケーション能力をアピールできる質問例
- 「利用者様に楽しんでもらうため、レクリエーションに力を入れているとHPで拝見しました。普段どのようなレクを行われていますか?レクの企画をしていた経験があるので参加することが楽しみです。」
- 「チームケアを重視しているとのことですが、こちらの施設では他職種間の関係は良好でしょうか?普段からコミュニケーションをとることを大切にしているので、チームケアに活かせればと思っています。」
求人情報に記載されている社風や、HPの情報を把握したうえで質問することも好印象のポイント。
例えばレクに力を入れている施設なら質問を通して、「レクへの積極性」や「コミュニケーション能力」をアピールしていきます。
介護職に関する知識など、学ぶ姿勢をアピールする質問例
- 「介護福祉士の資格取得を目指して勉強中です。働きながら実務者研修を受けたいのですが、スクーリングに合わせてシフト調整していただくことは可能でしょうか?」
- 「未経験での応募で不安ですが、他にも未経験からスタートした方はいますか?現在は初任者研修講座を受講中です。」
現在資格取得に向けて勉強している姿勢を見せることで、学ぶ姿勢があることをアピールできます。
経験を積んでいきたい・キャリアアップを目指す意思をアピールする質問例
- 「前職ではデイサービスで働いておりました。特養は初めてですが特色の異なる施設で経験を積んでいきたいと思ってます。ユニットリーダーになるには、どんな点を重視してますでしょうか?」
- 「ゆくゆくはケアマネを目指しているのですが、現場からケアマネにキャリアアップを目指すことは可能でしょうか?」
「採用後、この施設で経験を積んで役職に就きたい」「キャリアアップを目指す」意向を絡めて質問することで好印象を与えられます。
「この人は長く働いてくれそうだな」「リーダーや主任を任せられる人材かもしれない」と思ってもらえれば、採用率は限りなく高くなるでしょう。
こんな「逆質問」は逆効果

逆質問は意欲のアピールに効果的ですが、次のような質問はマイナスの印象を持たれかねないので注意しましょう。
- 質問しなくて分かるような常識的なことを質問する
- 逆質問前の質疑応答で説明を受けたことを質問する
質問しなくて分かるような常識的なことを質問する
事前の情報収集で分かるような内容の質問は印象が悪いので避けましょう。例えば求人先の施設での業務内容や勤務時間(夜勤の有無など)、大まかな給与額・待遇に関してなど。これらの情報は、
- 施設のホームページから確認できる
- 施設形態によって大まかな業務内容は把握できる
といった情報なのでこういった質問をすると、「この人は応募した事業所の情報収集もしていないんだな」と思われてしまいます。
事前に情報収集した上で分からないことや、確認しておきたいことがあればその旨を伝えて質問すればOKです。
逆質問前の質疑応答で説明を受けたことを質問する
面接の中で一度説明を受けたことを再度質問するのはNGです。「大事な会話の内容を聞き流す人」という印象になってしまいます。2度手間を取らせてしまうことにもなるので、面接での会話はしっかり理解しておきましょう。
介護職で勤務に入る際に必ず「申し送り」を受けます。その日の利用者様の体調や様子、業務の変更点など把握しておくべき重要ポイントを引き継ぐためです。
申し送りなどの「会話による意思疎通」は介護職において重視されるコミュニケーション能力なので、面接でも「大事な会話の内容を聞き流す人」という印象を持たれないように。
説明は集中して聞き、なるべく1度で理解するのが基本です。2度も3度も聞き返すのは「理解力が低い」と印象付けてしまうし、必要以上に手間を取らせてしまうことになるので要注意です。
質問に自分で答えてしまう
自分で質問をしておきながら、面接官が答えている途中で口をはさむのはNGです。社会人としてのマナー違反となり、印象を損ねてしまいます。
質問に対しての相手の回答や説明を「しっかり聞くこと」もコミュニケーションの一環です。説明を聞き終えた後に、理解や納得の意思表示なり自分の意見を伝えます。
「何も質問しない」と悪印象を与えてしまう
質問を求められて「何も質問しない」のはネガティブな印象を与えてしまうので避けましょう。これから働くかもしれない職場について聞きたいことがないというのは、「やる気が感じられない」「ここじゃなくてもいいのかな?」と捉えられることもあります。
いくら「売り手市場」の介護職といっても採用候補が複数人いる場合、「逆質問」してくるようなモチベの高い人を採用したいと面接官の立場なら思うはずです。
「質問を用意していたけど質疑応答の中で話し終えてしまった」ということもあります。この場合は、
「~について質問したかったのですが、先ほどの会話の中で理解できました。他には特にありません、ありがとうございます。」
など伺いたいことはあったが、すでに解決した旨を伝えればOKです。
質問はいくつするのがベスト?
こちらからの質問は2~3個ほどの多すぎない数にとどめておくと好印象です。この質問数なら適度に意欲をアピールしつつ、あまり長引かせずに質問を終えられます。
逆質問をしすぎると相手の時間を取りすぎてしまい、逆効果になりかねません。
実際に質問をするのは2~3個でも、数パターン質問は用意しておくとベター。逆質問に入る前の質疑応答で用意していた質問内容を振られ、逆質問することがなくなってしまう状況もあり得ます。
面接での会話の流れに合わせて、用意していた質問を適度な数だけするのがベストです。
まとめ
逆質問があるか聞かれる理由
- 質問の有無で「この事業所で働きたい」理由や、介護職に対する意欲があるか確認したい
- コミュニケーション能力があるか(会話のキャッチボールができるか)
- 事業所の方針や雰囲気にあっているか
質問をする際の注意点
- 疑問点を明確にする
- 質問は簡潔にまとめる
どんな質問が好印象か
- 介護職への理解があり、適性を感じられる
- コミュニケーション能力がある、職場での人間関係に適性がある
- 介護職に関する知識や技術を学ぶ姿勢があるか
NGな逆質問
- 質問しなくて分かるような常識的なことを質問する
- 逆質問前の質疑応答で説明を受けたことを質問する
以上の要点を抑えて多すぎない程度に質問を用意しておくのがベストです。好印象や意欲の高さ、コミュニケーション能力をアピールできる「逆質問」を効果的に使って採用率をアップさせましょう。
逆質問の例をあなた用にアレンジして活用してくださいね。