介護職は利用者さんの生活を支え、尊厳を守る誇りを持って働ける仕事です。
しかし一方で介護職だからこその苦労や悩みが負担となり、ストレスを抱えている人も多いはず。
自分一人で悩んでいては解決策が見つからず、日々のストレスから「介護の仕事を辞めてしまいたい」と追い詰められている人もいるのではないでしょうか?
ストレスが蓄積すると「体がだるい」「腰痛」などの身体的負担や、「何をするにも意欲が湧かない」「日頃から悲観的な気持ちになってしまう」などの心理的負担が現れます。
ストレスには原因があり、原因を把握することでストレスに対処し上手に付き合っていくことができます。
あなたに合ったストレス対処法を身に付けることは、介護職として安定して長く働き続けることに繋がります。本記事が参考になれば幸いです。
介護職のストレス解消はケアの質向上に繋がる
介護職に限らずどんな仕事にもストレスは付きものです。
好きなことを仕事にしていても、仕事である以上はまったくストレスが無いなんてことはありえません。
あなたが介護の仕事、利用者さんの生活を支える事にやりがいを感じていても、溜まっていくストレスを解消しなければ仕事を続けていくことが嫌になってしまうでしょう。
介護職は同僚と利用者さんの両方とも人との関わりの中で働くため、他の業種の仕事以上にストレスと密接になります。
ストレスと上手に付き合い解消していく事ができないと、利用者さんへのケアの質に悪い影響を及ぼしてしまいます。
介護の現場で見かける、普段からイライラしている介護士を思い浮かべてみてください。
あなたの職場にも一人はいるのではないでしょうか?
自分が利用者さんの立場だったら、いつもイライラしている人に介入されるのは怖いですよね?仮にADL(日常生活動作)が高く介助が必要ない場合でも、そんな精神的に不安定な介護士とはコミュニケーションを上手くとれる訳がありません。
そうなると利用者さんとの関係が悪化し、ヒヤリハットや事故が起こる原因となります。
介護職員の精神状態が落ち着いていれば、利用者様の普段との様子の違いなど環境が広く観察できるため事故を未然に防ぎやすくなるものです。
普段から質の高い介護サービスを提供していくためには、ストレス解消は非常に重要なことだと心掛けておきましょう。
介護職にかかるストレスの原因
- 人間関係
- 利用者さんへの対応
介助量・介助内容からくる負担
夜勤時に何か起きるんじゃないか(利用者様の体調の急変・救急対応など)という不安など。 - 給与への不満
- 勤務シフトの不規則さ
- 人手不足
- 職場の方針・上司との温度差
介護職のストレスへの対処法
人間関係ストレスへの対処法
ストレスになっていることの原因を把握して、それを取り除く方法を考えてみましょう。
例えば人間関係のストレスなら、
- ストレスになっている相手(同僚や上司)との関わり方を工夫してみる
- 職場内で異動を相談してみる
- 改善しない場合、転職して心機一転新たな環境で働いてみる
など。
利用者さんへの対応がストレスの原因の場合
施設により特色が異なるのでそれを理解し、自分に合った働き方を選ぶことであなたにとってストレスが少ない職場を選ぶことも大切です。
介護の仕事はいま働いている職場だけではないし、もしかしたら今の職場よりあなたに合った特色の職場が見つかるかもしれません。
施設ごとの利用者さんの介護度の違いを理解することや、あなたが介護職の中でも何にやりがいを感じるのか。それに今の職場は適しているのかを振り返ってみましょう。
例えば利用者さんとの関わりのなかでも、
- 笑顔を見れる瞬間にやりがいを感じるのならレクリエーションの機会が多いデイサービス
- 一緒に談話を楽しみながら散歩を楽しんでもらうのが好きなら老健(介護老人保健施設)
といった具合にやりがいを感じられる環境で働けることは、あなたにとってストレスは少ない職場だといえます。
自分が介護職のどこにやりがいや魅力を感じるのかメモに書き出してみましょう。書き出すことで頭で考えるよりもあなた自身を客観視しやすくなります。
給与への不満がストレスの原因の場合
同じような仕事内容でも他の職場では給与額が異なり、求人によっては今の職場よりも高い場合があります。
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ストレスを溜め込まず、リセットする
上記では介護職特有のストレスの原因と対処法について触れましたが、ここでは介護職に限らず使えるストレス発散方法を紹介します。
筆者が普段実践しているストレス解消法もあるので参考にしてみてくださいね。
運動をして汗を流す
適度な運動をすると気分転換やストレス解消につながり、メンタルの改善に効果的と言われています。
心と体はつながっているので運動をして汗を流すとふさぎ込んでいた気持ちが晴れやかになります。
私の好きなスポーツ選手の言葉ですが「体を動かして汗を流すと、心の脂肪も落ちる」というものがあり、健康とリラックスした精神状態の一挙両得できるので身体を動かすって大事なんですよね。
自分の好きなスポーツをするのがいいですが、特に何もないよって方にはジョギングをおすすめしたいですね。サッと軽めに自宅の近くを走るだけでも気持ちいいものです。
好きな音楽を聴きながらや、緑道で自然の景色を感じながらだとさらに癒し効果アップします。
一定のリズムを刻むリズム運動(散歩やジョギング、自転車を漕ぐなど)をして神経活動が高まると、脳の神経伝達物質であるセロトニンが分必されます。
セロトニンは気分や集中力に関係しているといわれており、脳内のセロトニン量が増えると気持ちが落ち着き晴れやかな気分になるといわれています。
私が好きなのでジョギングを一例として挙げましたが、走るのが苦手な方にはストレッチを習慣にするのもおすすめです。自宅でお手軽にできるので継続しやすさも○です。
身体の緊張をほぐすと気持ちもスッーと晴れて心地いいのでぜひ試してみてください。
実際に「1日5分!ストレスに強くなる整体法」という本を見てストレッチしているのですが、ストレスの症状別に効くストレッチが紹介されているので役立ちますよ。
休日に仕事と全然方向性の違うことに打ち込んでみる
休日にも仕事の人間関係やその他の悩みを考えるのは禁物です。
ストレスの元となることを意識してる間ずっと心に負荷がかかり続けてしまうからです。
何か大好きなこと熱中できることに打ち込む時間を作り、その間は脳をストレスから解放してあげましょう。上記で紹介したジョギングでもいいですし、ゲームや漫画、映画鑑賞など楽しいと思えることなら何でもOKです。
好きなことに集中してストレスをリセット(分断)する時間を適度に設ける。そうすることでストレスが軽減されるのでおすすめです。
ただし資格取得に向けての勉強や転職活動の準備を進めたりなど、人生における重要度の高いことに使う時間を削ってまで夢中になるのはNGです。
ストレス軽減のための時間と、自分をレベルアップさせるための時間をバランスよく振り分け、時間を有効に使う意識をしてみましょう。
他人との価値観の違いを理解し受け入れる
人間関係で悩む介護職員は多く、私も何度も悩まされた過去があります。
仕事内容以上にストレスが大きいものですよね。明日出勤するのも嫌になってしまいます。
人間関係で悩む人の中には、周りに気を使い過ぎて萎縮してしまっている場合があります。なにも関わる人すべてと仲良くする必要はありません。
しばらく関わってみて「この人とは性格的に仲良くなれないな」と思うなら、無理に媚びてまですり寄る必要はなし。ストレスの原因を増やすだけです。
人の価値観は育ってきた環境や見てきた景色により異なります。その人それぞれの価値観の違いは無理に変えることはできません。
変えるのではなく、「こういう考えもあるんだな」と自分とは違った価値観を受け入れるとトラブルは少なくなります。
仕事での関わりは友達ではないので、仲良くなれるに越したことはないですがストレスになるくらいなら距離感を変えればいいのです。
例えば無理に飲み会などの集まりに無理に参加しない、プライベートでは職場の人とは合わないようにして自分の時間や友人との時間を大切にするなど。
私の場合は以前職場のLINEグループに入っていたのですが、休日にも職場の話題が目に入ってしまうためストレスを感じていました。
本当に必要な連絡であれば仕方ないですが、休日まで仕事に支配されることはないと思います。休日は休日、仕事は仕事で区切りをつけ適度な距離感を保ってストレスをコントロールしていきましょう。
生活習慣を整える
生活習慣が乱れると気分に影響し、ストレスに弱くなってしまいます。
例えば睡眠ですが、ぐっすり眠ることは疲労回復するために重要ですよね?
睡眠不足になると脳の機能が低下してしまい、集中力が低下します。
その状態で仕事につけば当然ミスが起きやすくなります。介護職ならミスや不注意が大きな事故につながることも考えられます。
そうなると自分を責めたり、仕事自体が嫌になってしまう事の原因となる。ストレスが大きくかかっている状態ですね。
こういう悪循環を防ぐために適度な睡眠時間の確保や、規則正しい生活リズムを意識していきましょう。
睡眠時間が不足していると脳の機能が正常に働かなくなり、自律神経やホルモンバランスが乱れ心身に悪影響をきたします。
ストレス耐性に機能する副腎皮質ホルモンは、朝に多く分必され夜にかけ減少していきます。
これがいわゆる「生活リズム」で、生活リズムを整えるには夜は早めに休み、朝までぐっすり眠ることでストレスに強い身体を作れるようになります。
夜遅くまでスマホをだらだら見続けたり、モンハンを夜通しぶっ続けるのは自らストレス耐性を弱めているのと同じことなのです。
身体が慣れて夜勤が苦にならない人も多いですが、夜勤を続けて生活リズムがどうしても乱れて悩んでいる方は夜勤のない介護職に転職するという手もあります。デイサービスや訪問介護、派遣雇用で時間帯を選んで働くなどがあります。
マジメすぎる・熱意の強いタイプの方は要注意
理想が高すぎると燃え尽き症候群に陥ることも
「バーンアウト・シンドローム(燃え尽き症候群)」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?高い意欲を持って介護職に取り組んでいたにもかかわらず、ある時から突然心身のエネルギーを失い労働意欲を無くしてしまうというものです。
仕事の辛さからくるストレスが蓄積してしまう事が原因となります。
介護職でいうと、介護の仕事にやりがいを感じ、まじめで熱心に取り組んでいる人ほど燃え尽き症候群に陥りやすいと言われています。
仕事に対し完璧主義者であったり、高い理想を持ち他の職員に対してもそれを求めてしまうタイプもなりやすいです。
- 急に無気力になる
- がんばろうとしても疲れた気持ちになってしまう
- まじめに働いてた人が手を抜くようになる
- イライラしてキレやすくなる
- 他人に無関心になる
- 遅刻・欠勤が増えてくる
といったことが増えてきたらバーンアウトに陥っていることが考えられます。
介護の仕事は一人ではなくチームでする仕事なので自分や相手に完璧を求めたり、理想が高すぎると周りとの熱意の温度差で失望してしまう可能性が高いといえるでしょう。
介護職は利用者様の命に関わる仕事でもあるので、熱意を持って取り組むことは正しいです。しかし常に全力では息切れしてしまうので、ペース配分を意識するように肩の力を抜いて向き合うことも大切です。
もし上記のような様子の変化が現れた場合、無理に続けると症状が悪化してしまう恐れがあります。
いったん仕事を休ませてもらえないか相談をしてみる、異動や転職して職場環境を変えてみるのも一つの選択肢です。
それでもストレスの原因が解消されないなら、転職して環境を変えてみる
介護職員にかかるストレス原因とその対処法について紹介しました。
介護職のみならずどんな仕事にもストレスはあります。
人と関わって働く以上人間関係の悩みは付きものですし、その仕事特有の辛さもある。
気の持ち方を変えたり相手との距離感を工夫したりする事でストレスを溜め込まないことが重要です。
気持ちの余裕がなくなると利用者様へのケアも充分なものではなくなり、安全を守れない場合も出てきてしまいます。そうなるとネガティブな気持ちになり本来やりがいある介護職が嫌になってしまう事もあるでしょう。
それで介護の仕事から離れてしまうのは非常にもったいない事なので、ストレスが限界に達する前にストレスと上手く付き合う対処法を身に付けておきましょう。
それでもその職場でのストレスに耐えきれなくなるようなら、転職を考えるのもひとつの選択肢です。
毎日出勤するたびに感じるストレスも転職をして環境自体を変えてしまえば、案外あっけなく解消されることもあります。
介護業界は人手不足のなか、あなたは必要とされる人材です。
介護職から離れてしまう前に、まずは転職エージェントに相談してあなたに最適な職場で働きましょう。
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